Novel life~musashimankun’s blog~

漫画「きっと、いいことあるさ~君が住む街で~」を週刊で連載しています。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「闇が滲む朝に」🐑章 第27回「二人の逃避行 やっぱ『竜乃湖』には、何かがありそうだっ!」

やはり何かがいそうだっ! 徹たちが車から降りると、横幅約100メートル、縦約200メートル程だろうか。大きな湖が目の前に横たわっている。湖の奥の方はうっそうとした林を抜けるように延々と伸びている。入口付近には「竜乃湖」と書かれた看板が立てられ、歴…

「闇が滲む朝に」🐑 章 第26回「二人の逃避行 異常気象にやられねえよう、『竜乃湖』で拝むっけ」

黄色のランドクルーザーでやってきた 髭面男のヒゲさんから「竜之湖」に誘われた徹は、風呂から上がるとはなえにその旨を伝えた。ヒゲさんが自分の車で「もとずろう温泉」まで迎えに来てくれるという。 近くのうどん屋で昼飯をとった徹とはなえは、午後1時…

「闇が滲む朝に」🐑章 第25回「二人の逃避行 ネッシー?かつて本当に竜が住んでいた」

かつて本当に竜が住んでいた湖 徹はあまり髭ずらの男とは深い話はしない方がいいと直感し、適当に挨拶した後でお湯から上がった。朝に温泉に浸かることなどないから、少し頭がクラクラした。 近くの洗い場の椅子に座り、前のシャワーを出す。一瞬、冷たい冷…

「闇が滲む朝に」🐑 章 第24回「二人の逃避行 近くに竜が住んでた湖があっから」

早一番のお客さんですけ? 徹は「もとずろう温泉旅館」のお湯に浸かりながら、大きく深呼吸した。どこからか静かにお湯が流れる音が聞こえてくる。「朝早一番のお客さんですけ」 後方から野太い声が聞こえてくる。 「お客さんけ?」 徹は二度目の問いかけに…

「闇が滲む朝に」🐑 章 第23回「二人の逃避行 お湯に浸かり自分が自分でないような」

カーテンを開けると木々一色だった「温泉に入りたかったら入ってもいいけど、どうする?しばらく休む?」 徹は、「もとずろう温泉」の女将・いちこと社長のずんいちろに挨拶した後で、はなえに聞いた。「そうだね。午前中はね」 はなえはゆっくりと返事した…

「闇が滲む朝に」🐑章 第22回「二人の逃避行 温泉だけでなく、のど自慢にも出てみっか」

もとずろう温泉に到着 徹たちはタクシーを降りると、どこからか川のせせらぎが聞こえてきた。新鮮な空気に凛と身体が包まれた。はなえが気持ちよさそうに深呼吸した。 目の前に小さな温泉宿が建っている。古びた木造りの看板に「もとずろう温泉旅館」と大き…

「闇が滲む朝に」🐑章 第21回「二人の逃避行 行き先は、あの『もとずろう温泉』」

さあ着いたよ。尾花だよ コーヒーを飲み終わった後で徹とはなえはトイレに寄り、駅のホームで電車を待った。 やがて「もとずろう温泉」のある尾花駅行きの電車が予定通りに来た。 二人は電車に乗ると座席に座り目を閉じた。話していると冗談を言うはなえだが…

「闇が滲む朝に」🐑章 第20回「二人の逃避行 あったかいコーシーを飲みながら」

あんた、コーシーは好きなの 土曜日早朝のコーヒーショップに客はほとんどいない。軽音楽が店内を華やかな雰囲気にしている。「おまちどうさま」 徹ははなえと自分のコーヒーをトレーに乗せて運んできた。「温泉は午前10時過ぎから入れるようだから。着く頃…