Novel life~musashimankun’s blog~

漫画「きっと、いいことあるさ~君が住む街で~」を週刊で連載しています。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Novel「闇が滲む朝に」第☆章9回「この宇宙の片隅で生きている 一瞬の偶然と奇跡について」

片山は料亭に外に出ると植栽の水撒きを始めた。カエデの木は夏でも緑の葉を青々とつけている。長いホースの先を全開にして勢いよく水を撒く。暑い空気が一瞬、涼しい風に変わる。そういえば、人間はこの水がなければ生きていけない。日本は四方を海水に囲ま…

Novel「闇が滲む朝に」第☆章8回「明日、世界が終わっても、今日、僕はリンゴの木を植える」

片山は「鈴音」の一階に戻ると、いつものように大きな花瓶の花に気づいた。この花瓶に入れられたバラやヒマワリなどの花や、ビルの植栽が自分に話しかけていることを感じることがあるのだ。同様に片山は元気になるリンゴが好きで毎日、食べるが、きっかけは…

Novel「闇が滲む朝に」第★章7回「ええいっ!危険な暑さにバッドウォーターマラソンを意識も・・」

片山二郎は「鈴音」の洗面の清掃を終えると料亭の外に出た。異常な暑さが襲う。最高気温が35度と発表される日が続く毎日に、重い疲労を感じる。常日頃から毎日の肉体労働生活をトレーニングと考えている片山は、こんな時にアメリカのカリフォリニアで開催さ…

Novel「闇が滲む朝に」第★章6回「今日も元気だしていきましょう」

片山二郎は「鈴音」の洗面の清掃を終えると、一階のお客の予約状況が記してあるボードをタオルで吹き始めた。そこに女将の武田良子が出勤してきた。Vネックの深緑色のTシャツに白いパンツ、カーキ色のショルダーバッグというラフな格好だ。いつも通りに挨拶…